"フロンガス"をご存じでしょうか。

どこのご家庭にもあるエアコンに、封入されている物質があります。
「冷媒」として使用されているのがフロンガスです。
何のために使われているかの説明は長くなるのでここでは省きますが、とにかくエアコンには必要なガスなのです。

フロンガスは、人にとって無味無臭無毒で夢の物質と言われるものでした。
空調設備がここまで人の生活に必要なものとして発展を遂げたのは、まさにこのフロンガスのおかげです。
しかし、この夢の物質が、今では地球環境に悪影響を及ぼす物質として扱われるようになりました。
「オゾン層破壊物質」として取り上げられたのです。
実際、当時は南極でのオゾンホール出現、オーストラリアなどで皮膚がんの発生など、オゾン層破壊による人体や農作物への影響が問題視されました。
(この頃から紫外線対策、日焼け止めを塗るようにと言われるようになったような気がします）
この原因の一つとして「フロンガス」が大気に放出され、オゾン層に達すると化学反応によりオゾン層を破壊する。
破壊されたところから有害な紫外線が地表に大量に届き、皮膚がんなど様々な影響を及ぼしている。ということが解明され、大きなニュースとなりました。
夢の物質は一転、地球環境を壊す悪者となってしまったのです。

現在では、オゾン層を破壊する要因が取り除かれた「代替フロン」と言われるフロンガスが使用されています。
これで一件落着したかのように見えたのですが、これが新たな問題「地球温暖化」へとつながります。
この代替フロンは、地球温暖化への影響を強く与えるとして更に問題となったのです。
（地球温暖化(温室効果)は、二酸化炭素の600～14,800倍と言われています。）

このような問題を受け、2001年に日本では「フロン回収破壊法」が制定され、フロンガスを大気中にみだりに放出することを禁止し、空調機器の廃棄時には適正にフロンガスを回収し、破壊処理をして無害化しなければならないことになりました。
その後、法改正が何度かされ、現在では「フロン法」として、機器廃棄時のフロンガスの回収・破壊又は再生処理、機器使用時のフロンガス漏洩点検の義務化などが法律により制定され、フロンガスの管理はより厳しいものとなっています。

ではなぜ、今でも地球環境に影響を与えるような物質を使い続けているのか。疑問に思うかもしれません。
単刀直入に言うと、フロンガスに代わる物質が未だ見つかっていないのです。
最近では、「自然冷媒」と言われるものも使用されつつありますが、有毒性や可燃性など、こちらも別の問題があります。
今のところ、私たちはフロンガスを大気に漏らさないように適正に使用し続けるしかないのです。

東海サーモエンジニアリングでは、2008年7月に環境経営「エコアクション21」認証取得、2023年1月に「SDGs行動宣言」をいたしました。

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